2012年2月7日

【サッカーU-23オリンピックアジア最終予選】シリアVS日本(ヨルダン)

昨日、ロンドンオリンピックのサッカーアジア最終予選「シリアVS日本」(アウェー:シリアの情勢が不安定のためヨルダンで開催)をテレビで見ました。

結果は、2-1で負けてしまいました。これで勝ち点で並んだ日本とシリアですが、得点差「+1」でシリアがグループ首位。お互いに直接対決のない残り2試合で、日本かシリアのどちらかがオリンピックの切符を手にします。

先取点は前半のシリア。ペナルティーキックがゴール前に跳んできて、混戦の中で味方の頭に当たり、オウンゴール。前半のうちにFW永井選手のゴールで追い付きます。終了間際、シリアの執念のゴールで勝ち越されました。

ちょっと、感想を書いておきたいと思います。

日本チームは、FW永井選手のスピードを生かして点を取る、という自分たちの形を信じて、攻めていたように感じました。日本の1点は、永井選手を信じた味方が、パスというよりも、ボールを置きにいって、それを永井選手が拾ってゴールという感じでした。スピードという身体能力で背中を向かせたディフェンダーの背中を抜き去り、いわゆる「裏を取る」パスで決めに行った感じを受けました。

いっぽう、1-1で迎えた後半ですが、10分過ぎからしばらく、日本チームが、王様サッカーをしていたように見えました。スピードや、裏を取ることではなく、その時間の日本チームは、ゴールキーパーを含めた自陣がどっしりと自陣で腰を据えて、その腰を据えた自陣を、じわり、じわり、ハーフライン周辺から相手陣内に食い込んで、相手の陣地を取っていったように見えました。

その時は、パスがカットされたり、混戦の中でボールがイーブンになっても、どっしりと構えた味方の足にボールが戻り、それが戻るべくして戻ったようにも見え、あわてることなく、また、陣を進め、シリアもそんな日本の陣形にプレッシャーを感じ、下がり気味(受け気味)になっているように感じました。日本の1点が、隙をついて決めたゴールに見えたので、10分過ぎから一定の時間、行われていた、戦国時代の合戦で言えば、魚鱗の陣的攻め(というか形は鶴翼の陣っぽかったのですが)から、最後に決めに行って、決めてしまうと、「強いな、このチーム」という印象を受けると思います。ヨーロッパのチームだと、U-17とかの若い選手たちでも、決めに行って、決めてしまうことがあるので、そういった時は、「ほんとうに、このチーム、強えや」と思えます。日本の1点は、「強いな、このチーム」というよりは、「うまいな、この選手」という印象でした。もちろん、ケチをつけているわけではありません。ただ、自分たちがボールを支配して、陣形で攻めに行って、最後はこれで決めるんだと決めてたうえで決めに行って(もちろん、相手チームも、裏を取られるとか、隙をつかれるとかではなく、こいつら決めにきているとわかっていて)、そのうえでのあのゴールだったら、「すげえや、このチーム」という印象になったのではと思っています。

前半か後半は忘れましたが、テレビ画面の向こう側で、シリアが最終ラインでボールを回し、日本が4人くらいでプレッシャーをかけにいった場面がありました。解説の松木さんもコメントしていましたが、日本4人-シリア2人で、数的には日本のほうが有利だったのですが、シリアディフェンダーがボールを失わす、さらに、自分たちがボールを支配したまま、日本の4人をパスで抜き去り、ボールを前に進めた場面がありました。それからは、日本選手は自陣に走って帰り、シリア選手は、余裕を持ってサイドをワイドに使い、日本の陣地を取っていきました。ちょっとずれているかもしれませんが、いわゆる「集中と拡散」(この場合は、日本選手をボールに引き寄せておいて、裏を取って、シリア選手が拡散していったことになるような気がします)的な現象を感じました。

シリアチームは、後ろから何人も走ってきて波状攻撃という印象は受けませんでしたが、とにかく、バックパスをせずに、ボールを持った選手が、自分が数的不利に陥っても、最後にはボールをより相手陣に近い場所へ進めるという印象を受けました。ただ、日本チームが後半10分過ぎに見せたような陣形として前に押し出していくというよりは、合戦で言えば、一騎掛けした猛者がしゃにむに突き進んで、相手が崩れたところを、一騎掛けした猛者が作りだしたスペースを利用して味方が続くという感じでした。どちらかというと、勢いとパワーで押してきていたような印象もありました。「シリア選手たちは、すげえな」とは思えても、「このチーム、強いな」という印象までは受けませんでした。

「このチーム、強いな」と感じさせてくれた日本チームの後半10分過ぎの好循環の原因はどこにあるのだろうと、考えています。
 
竹内みちまろ

 
 
 
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